山手の方に代々続く大きな総二階建ての古民家がありまして、手を加えながらそこに長年住んでいました。昔ながらの造りで風情はあるのですが、もうとにかく寒くて。また将来のことを考えた時に、今のうちに夫婦で利便性のいい場所へ移ろうと判断しました。

無垢の木を使った平屋の家を希望していたので、もともと大手のハウスメーカーという選択肢はありませんでした。候補に挙がった工務店さんはいくつかありましたが、選んだ理由をひと言で表すと「相性」ですね。施工例もいくつか拝見しましたが、ケイハウスさんの建てた家は私たちの好みに近かったですし、社長の下山さんのお人柄が穏やかで、私たちの話にしっかりと耳を傾けて、誠実に対応してくれたことが決め手になりました。

シンプルな長方形の平屋です。軒の深い切妻屋根で、外壁には杉板を縦に張っています。これはケイハウスさんの家づくりの特徴でもあり、私たちのやりたかったことの一つです。室内は開放的な勾配天井に梁や柱を見せ、無垢の木と漆喰の塗り壁に囲まれた空間です。廊下のない間取りも特徴ですね。引き戸で部屋と部屋がつながっています。

大きく捉えると、自然素材の中で体が喜ぶような「心地いい空気感の家」。そのうえで旧家があまりにも寒かったことを踏まえて、家じゅうが暖かい住まいを希望しました。間取りに関しては短い動線を意識しました。夫婦２人が暮らすのだからコンパクトなサイズの家にしようと思っていても、旧家が大きかったこともあり、広さの加減が難しかったですね。それから建具や収納などの造作もお願いしました。書斎のコーナーテーブルは、こちらで支給した欅の一枚板で製作してもらいましました。

建物の東側に配置した、明るく日当たりのいいリビング空間です。大きな掃き出し窓が南と東の両面にあって、南側は庭の風景、東側の窓からは遠くの山の景色がよく見えます。ゆったりとした空間でのんびりくつろげます（ご主人）。
旧家の台所が低くて腰をかがめながら料理していたので、背の高さに合わせてキッチンを造作してもらいました。腰への負担が減って楽になりましたね。なにより視界の広がりが快適です（奥様）。

家じゅうが暖かくて快適です。日中は日当たりがいいからそれだけで十分。基礎を利用した床下エアコンは直接風が当たらないのもいいですね。電気、ガス、灯油も使っていた旧家と比べると、オール電化の今の暮らしでは光熱費が驚くほど安くなりました。
平屋で廊下のない間取りは、動線が短く階段の上り下りもないので、家事効率がとてもいいです。自分の時間を持てるようになりました（奥様）。

まずは少しずつ手を加えていきながら、この建物に合うような庭づくりを進めていきたい。造園業者は入れず、あれこれ試行錯誤しながらでも自分たちで好きなようにやりたいです。もちろん健康第一で、日々楽しく過ごしていきたいですね。